親の老人ホームや介護施設への入居が決まると、「何を持っていけばよいのか」、「通帳や家具は自宅に残してよいのか」、「家の物をどこまで処分すべきか」と迷う方が少なくありません。
入居前の持ち物は、次の4つに分けると整理しやすくなります。
- 老人ホームへ持っていくもの
- 家族が保管するもの
- 自宅に一時的に残すもの
- 返却・売却・処分するもの
ただし、必要な物や持ち込める物は、施設の設備、居室の広さ、洗濯サービス、本人の身体状況によって異なります。インターネット上の一般的なリストだけで決めず、最初に施設から渡された案内と契約書類を確認してください。
厚生労働省の介護サービス情報公表システムでは、全国の介護サービス事業所の情報を確認できます。入居先から受け取った重要事項説明書や持ち物一覧も読み、不明点は施設の担当者へ確認しましょう。
結論|老人ホーム入居前の荷物は4つに分ける
| 分類 | 主な品物 | 判断のポイント |
|---|---|---|
| 施設へ持っていく | 衣類、履物、洗面用品、補助具、身近な写真など | 施設の指定、収納量、本人の使いやすさで決める |
| 家族が保管する | 通帳、印鑑、保険証券、不動産関係書類、高額な貴重品など | 手続きに必要か、施設で安全に管理できるか確認する |
| 自宅で一時保管する | 季節外の衣類、予備品、判断に迷う思い出の品など | 箱に内容・所有者・見直し日を書いて保管する |
| 返却・売却・処分する | レンタル品、使わない家具・家電、重複品など | 所有者、契約、家族の同意を確認してから進める |
「迷ったら捨てる」のではなく、迷った物は一度保留します。入居後に実際の暮らしを確認してから、追加で持ち込むか手放すかを決める方が、必要品の誤処分を防げます。
最初に老人ホームへ確認する10項目
老人ホームごとに居室の設備や持ち込み規則が異なるため、荷造りを始める前に次の点を確認します。
- 施設指定の持ち物一覧はあるか
- ベッド、寝具、カーテン、収納家具は備え付けか
- 居室と収納の寸法はどのくらいか
- 衣類の洗濯は週に何回行われるか
- 衣類や日用品への記名は必要か
- 紙おむつ、タオル、洗面用品は持参か、施設提供か
- テレビ、冷蔵庫、電気ケトルなどの家電を持ち込めるか
- 薬、サプリメント、医療機器をどのように預けるか
- 現金、通帳、印鑑、貴重品を施設で管理できるか
- 搬入できる日時、車両の停車場所、家族が使える搬入口はどこか
施設の担当者に居室の写真撮影や採寸が可能か確認しておくと、家具が入らない、収納からあふれるといった失敗を防ぎやすくなります。
入居時には、本人の持ち物だけでなく居室の壁や床、備え付け家具の状態も施設と一緒に確認し、必要に応じて写真を残しておきましょう。国民生活センターも、有料老人ホームの退去時トラブルを防ぐため、入居時に施設側と室内を確認し、記録を残すよう案内しています。詳しくは国民生活センターの注意喚起をご確認ください。
老人ホームへ持っていくもの
契約・本人確認に必要な書類
施設から指定された書類を、一つのファイルにまとめます。
- 施設との契約手続きで指定された書類
- 健康保険や介護保険に関する書類
- 診療情報、薬の情報、緊急連絡先
- 本人確認書類のうち、施設から持参を求められたもの
- 施設利用料の支払いに必要な情報
原本が必要か、写しでよいかは書類ごとに異なります。自己判断で全ての重要書類を居室へ持ち込まず、施設へ確認してください。
衣類・下着・寝間着
用意する衣類の枚数は、「一律に何枚」と決めるより、施設の洗濯頻度に予備分を加えて考えます。
- 普段着
- 下着、肌着、靴下
- パジャマや寝間着
- カーディガンなど体温調整しやすい上着
- 季節に応じた外出着
- 施設が指定する場合は室内履き
本人が一人で着替える場合は、前開き、伸縮性がある、ボタンが扱いやすいなど、着脱しやすさも確認します。介助を受ける場合は、職員が着替えを手伝いやすい形か施設へ聞いておくと安心です。
記名方法にも、タグへ記入する、アイロンラベルを使うなど施設ごとの指定があります。荷造り後ではなく、購入前または記名前に確認しましょう。
靴・眼鏡・補聴器・補助具
- かかとがあり、滑りにくい室内履き
- 外出用の靴
- 眼鏡と眼鏡ケース
- 補聴器、充電器、予備電池
- 入れ歯、専用ケース、洗浄用品
- 杖、歩行器、車いすなど、使用が決まっている補助具
杖や歩行器が本人の身体状況と施設内の環境に合うかは、施設職員や担当の専門職へ確認してください。介護保険で借りている福祉用具は本人の所有物とは限りません。入居先でも使えるか、返却が必要かをレンタル事業者やケアマネジャーへ確認します。
洗面・衛生用品
- 歯ブラシ、歯磨き用品
- 入れ歯用品
- くし、ブラシ
- 電気シェーバーなど、施設が認めた身だしなみ用品
- ティッシュ、マスク
- 本人の肌に合う保湿用品
- タオル類
タオル、紙おむつ、シャンプーなどを施設が用意し、費用を月額で請求する場合もあります。重複購入を避けるため、施設提供品と個人で用意する品を分けて確認します。
薬・医療に関係するもの
薬は、普段使っている容器のまま大量に荷物へ入れるのではなく、施設から指定された方法で引き渡します。
- 服用中の薬
- お薬手帳または薬剤情報
- 使用中の塗り薬、点眼薬、吸入薬など
- 血糖測定器など、使用が決まっている医療機器
- アレルギーや服薬上の注意事項
薬の持参量、保管、服用管理、サプリメントの可否は施設へ確認してください。薬の中止や分包の変更は家族だけで判断せず、処方した医師や薬剤師、施設の担当者へ相談します。
本人が落ち着いて過ごすためのもの
生活必需品だけでなく、本人が「自分の部屋」と感じられる品も少量選びます。
- 家族やペットの写真
- 使い慣れた時計
- 好きな本や雑誌
- 小さな趣味用品
- 手紙や思い出の小物
- 使い慣れたクッションなど、施設が認めた品
思い出の品を全て持ち込む必要はありません。本人に選んでもらい、居室に収まる量に絞ります。アルバムは必要な写真だけを複製したり、データ化したりする方法もあります。
家族が保管するもの
次の品は、手続きや財産管理で必要になる可能性があります。本人の意思と施設の管理体制を確認し、居室に置くのか、家族が預かるのかを決めてください。
- 預貯金通帳
- 実印、銀行印、印鑑登録証
- 不動産の権利関係を確認できる書類
- 保険証券
- 年金や税金に関する書類
- 売買、賃貸、借入れなどの契約書
- 遺言書、エンディングノート
- 現金、貴金属、骨董品などの貴重品
- 自宅、車、貸金庫などの鍵
- スマートフォンやパソコンの契約・アカウントに関する情報
家族が預かる場合は、「誰が」「何を」「いつから」保管しているかを一覧にし、本人や関係する家族と共有します。通帳や印鑑を預かることと、本人に代わって自由に財産を処分できることは同じではありません。財産管理や契約について判断に迷う場合は、施設の相談員や地域包括支援センター、必要に応じて法律の専門家へ相談してください。
自宅に一時的に残すもの
入居日に全てを決める必要はありません。次のような品は箱にまとめ、見直す期限を決めて一時保管できます。
- 季節外の衣類
- 入居後に必要になるか分からない予備品
- 本人が判断を迷っている思い出の品
- 家族間で所有者を確認している品
- 自宅の売却、賃貸、解体などの手続きに必要な書類
- 入居先で使えるか確認中の家具や家電
保管箱には、内容、所有者、保管場所、見直し予定日を書きます。箱の中身を撮影しておけば、本人に確認するためだけに何度も自宅へ戻る負担を減らせます。
長期保管する場合は、湿気、害虫、電池の液漏れにも注意します。冷蔵庫の食品や生ごみなど、衛生上放置できない物は先に処理してください。
返却・売却・処分を検討するもの
レンタル品・契約中の品
次の品は、処分する前に所有者と契約を確認します。
- 介護ベッド、車いす、歩行器などのレンタル福祉用具
- モデム、ルーター、テレビ受信機などの貸与機器
- ウォーターサーバー
- レンタル寝具
- リース品、定期購入品
貸与品を家財と一緒に処分すると、返却費用や弁償が発生する可能性があります。品物に貼られた事業者名や契約書、請求書を確認してください。
今後使わない家具・家電
大型家具や家電は、入居先へ持ち込めるか、家族が使うか、売却できるかを確認してから処分を決めます。
- ベッド、タンス、食器棚
- 冷蔵庫、洗濯機、テレビ、エアコン
- テーブル、椅子、ソファ
- 布団、カーペット
- 調理器具、食器
家電や粗大ごみは、自治体のルール、購入店の引き取り、家電リサイクル法の対象など、品目によって処分方法が異なります。一度に家全体を片付ける場合は、家庭ごみを適正に扱える体制がある業者かも確認してください。
老人ホームに持っていけない可能性があるもの
次の品は、安全管理や居室の広さを理由に持ち込みが制限されることがあります。禁止品は施設ごとに異なるため、必ず入居先へ確認してください。
- 火を使う器具、ストーブなどの暖房器具
- 刃物、工具、ライターなど
- 大型の家具や家電
- 消費電力の大きい家電
- 管理方法が確認できない薬やサプリメント
- 多額の現金、高価な貴金属
- 生もの、酒類、賞味期限の短い食品
- ペット、植物
- 転倒や避難の妨げになる敷物や収納用品
「自宅で使っていたから持ち込める」とは限りません。本人の身体状況によって個別に制限される場合もあります。
家具・家電を持ち込むときの確認項目
家具
- 居室と入口、廊下、エレベーターを通る寸法か
- 備え付け家具と重複しないか
- 転倒防止ができるか
- 車いすや歩行器の動線を妨げないか
- 退去時に家族が搬出できるか
家電
- テレビや冷蔵庫の持ち込みが認められているか
- 電気代やテレビ受信料の扱いはどうなるか
- 延長コードを使用できるか
- 電気ケトル、電子レンジ、加湿器などに制限があるか
- インターネット回線や携帯電話の電波を利用できるか
採寸は家具の幅だけでなく、奥行き、高さ、扉を開いたときの寸法まで記録します。
衣類は何枚残す?枚数を決める考え方
衣類の必要数は、次の条件で変わります。
- 施設の洗濯回数と返却までの日数
- 本人が着替える頻度
- 汚れやすさ
- 外出や通院の頻度
- 季節の変わり目
- 収納スペース
基本は「次の洗濯物が戻るまでに必要な分+予備」です。入居時に大量に持ち込まず、まず施設の指定量を準備し、足りなければ家族が追加する方法もあります。
高価な衣類やデリケートな素材は、施設の洗濯方法に合わない場合があります。家庭用洗濯機で洗えて、着脱しやすく、本人が見分けやすい服を中心に選びましょう。
本人と家族で「残すもの」を決める6つの質問
品物ごとに次の順で確認すると、感情だけで判断せずに分けられます。
- 本人が現在も使っているか
- 入居先で使用が認められているか
- 居室や収納に収まるか
- 本人または施設が安全に管理できるか
- レンタル品や家族共有の品ではないか
- 今処分しても、手続きや生活に困らないか
本人が大切にしている品を、家族だけで「不要」と決めないことも重要です。急いでいる場合は、処分ではなく保留箱へ入れ、入居後に改めて確認します。
入居前の荷造りを進める7つの手順
1.施設の持ち物一覧と居室情報を確認する
持ち込み可能な物、備え付け設備、収納寸法、搬入日時を確認します。
2.本人が毎日使う物を聞く
家族が必要だと思う物と、本人が実際に使う物は異なります。衣類、眼鏡、補聴器、趣味の品などを本人と一緒に確認します。
3.4つの区分で置き場所を作る
「持参」「家族保管」「自宅で保留」「返却・手放す」の箱やスペースを作ります。処分方法は、必要品を分けた後に考えます。
4.入居初日に使うバッグを別にする
契約書類、薬、眼鏡、補聴器、着替え、洗面用品など、当日すぐに必要な物を一つにまとめます。
5.記名し、持ち物一覧を作る
施設の指定に従って記名します。特に補聴器、眼鏡、充電器、杖などは、品名や特徴を一覧にして写真も残します。
6.必要最低限を先に搬入する
居室の動線を確保するため、大型家具や大量の衣類を最初から持ち込まないようにします。
7.入居後に不足品と不要品を見直す
実際の生活を見て、必要な物を追加します。自宅に残した保留品は、本人の意向を再確認してから整理します。
入居後の自宅はすぐ空にするべき?
老人ホームへの入居が決まっても、必ず入居日までに自宅を空にする必要があるとは限りません。自宅をどうするかによって、片付ける時期と残す物が変わります。
| 自宅の今後 | 先に確認すること |
|---|---|
| 家族が住み続ける | 本人の物と同居家族の物を混同しない |
| 一時的な入居・短期利用 | 退居や帰宅の可能性を考え、生活用品を残す |
| 空き家として管理する | 食品、生ごみ、火災・漏水につながる物を優先して処理する |
| 売却・賃貸を検討する | 不動産会社へ、残置物をどの段階までに撤去するか確認する |
| 解体を予定している | 解体会社へ、建物内に残せる物と別途処分が必要な物を確認する |
「売却や解体をするなら、家を必ず完全に空にしてから相談する」と決めつける必要はありません。依頼先によって条件が異なるため、先に不動産会社や解体会社へ確認してください。
家族だけで決めるのが難しいとき
本人が物を手放したくない場合は、説得から始めるのではなく、「施設へ持っていける量には限りがあるため、大切な順に選びたい」と目的を共有します。
家族間で意見が分かれる品は、処分せず写真と一覧を残して保留します。本人の判断や財産管理について家族だけでは決められない場合は、施設の相談員、ケアマネジャー、地域包括支援センターなどへ相談してください。契約や財産の処分に法的な判断が必要な場合は、弁護士、司法書士などの専門家へ確認します。
印刷して使える持ち物チェックリスト
施設へ確認
- 施設指定の持ち物一覧を受け取った
- 居室と収納を採寸した
- 備え付け家具・寝具を確認した
- 洗濯回数と記名方法を確認した
- 家電・家具の持ち込み規則を確認した
- 薬と医療機器の引き渡し方法を確認した
- 貴重品と現金の管理方法を確認した
- 搬入日時と搬入口を確認した
入居初日に必要なもの
- 施設から指定された契約・本人確認書類
- 薬、お薬手帳、薬剤情報
- 眼鏡、補聴器、入れ歯
- 着替え、下着、寝間着
- 室内履き
- 洗面・衛生用品
- 充電器
- 緊急連絡先
家族が保管・確認するもの
- 通帳、印鑑
- 保険証券
- 不動産・契約関係書類
- 現金、貴金属
- 自宅や車の鍵
- レンタル品の契約書
- スマートフォンやインターネットの契約情報
- 保留品の写真と一覧
老人ホーム入居時の持ち物に関するよくある質問
- 老人ホームへ最初に持っていくものは何ですか?
施設から指定された書類、薬と薬剤情報、眼鏡・補聴器など本人の生活に欠かせない物、着替え、洗面用品を優先します。施設によって用意されている物が異なるため、指定リストを先に確認してください。
- 衣類は何枚持っていけばよいですか?
洗濯頻度と返却までの日数に、着替えの予備を加えて決めます。一律の枚数ではなく、施設の指定と収納量、本人の状態に合わせてください。
- テレビや冷蔵庫は持ち込めますか?
施設によって異なります。持ち込みの可否だけでなく、寸法、電気代、テレビ受信料、転倒防止、退去時の搬出方法も確認します。
- 通帳や印鑑は本人の部屋に置いてよいですか?
施設の貴重品管理と本人の管理能力によって判断が変わります。施設へ管理方法を確認し、家族が預かる場合は預かった品と保管者を記録してください。
- 薬は何日分持っていけばよいですか?
施設の受け入れ方法や提携医療機関によって異なるため、施設へ事前に確認してください。薬の内容や包装を家族だけで変更せず、必要に応じて医師や薬剤師へ相談します。
- 杖や介護ベッドはそのまま持っていけますか?
本人所有の物かレンタル品かを確認します。レンタル福祉用具は入居に伴って返却や契約変更が必要になることがあるため、事業者やケアマネジャーへ連絡してください。
- 親が物を捨てたがらないときはどうすればよいですか?
すぐに処分せず、施設へ持参する物を本人に選んでもらいます。残りは保留箱へ入れ、入居後に生活が落ち着いてから見直す方法があります。
- 入居前に家を空にしなければなりませんか?
必ずしも入居日までに全て撤去する必要はありません。短期入居、売却、賃貸、解体など自宅の今後によって条件が異なるため、関係する施設、不動産会社、解体会社へ確認してください。
福岡で施設入居後の家財整理にお困りの方へ
入居に必要な物を分けた後、自宅に大量の家具・家電が残り、家族だけでは搬出できない場合があります。
福岡片付け隊では、本人と家族が残す物を確認したうえで、施設入居時の家財仕分け、家具・家電の搬出、買取査定などをご相談いただけます。
サービスを依頼する前に、施設へ持っていく物、家族が保管する物、処分しない物をお知らせください。判断に迷う品は勝手に処分せず、確認用として分けて保管します。
- 📞 お電話でのお問い合わせ(フリーダイヤル):0120-668-680
- 📱 LINEで簡単・画像見積もり:こちらからお友達追加(お部屋の写真を送るだけで、概算のお見積りが可能です!)
- ✉️ メールフォーム:24時間受付中
まとめ|迷ったものは入居前に急いで捨てない
老人ホーム入居時の荷物は、次の順番で整理します。
- 施設の持ち物一覧、設備、持ち込み規則を確認する
- 持参・家族保管・自宅保留・返却や処分の4つに分ける
- 衣類は洗濯頻度と収納量で決める
- 薬、書類、貴重品は管理方法を施設へ確認する
- レンタル品や共有品は所有者を確認する
- 判断に迷う品は写真と一覧を残して保留する
- 入居後の暮らしを確認してから自宅の整理を進める
老人ホームへ持っていく物に唯一の正解はありません。施設の規則と本人の暮らしやすさを基準にし、大切な物を誤って処分しないよう、段階的に整理しましょう。










