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実家がゴミ屋敷になる原因と片付け方のコツを効果的に紹介

たまに帰省したら、実家がゴミ屋敷に変わっていて、驚いたという人も少なくありません。

ゴミ屋敷になった実家をそのままにしておくと、様々な問題が生じる可能性があります。

この記事では、実家がゴミ屋敷になる原因や、ゴミ屋敷を整理する際の重要なポイントを詳しく解説します。

実家がゴミ屋敷化する6つの可能性とその理由

片付けが得意でない親がいる場合、実家がゴミ屋敷になるのはあまり驚きではないかもしれません。しかし、親がきちんとした人だったのに、実家がゴミ屋敷になってしまったという事例も存在します。

実家がゴミ屋敷になる背後には以下のような要因が考えられます。

それぞれの原因と理由を詳しく見ていきましょう。

「もったいない」という思考が根底にある

物資が不足していた時代を生きてきた親世代には、「もったいない」という思考が強く残っています。物を捨てることに罪悪感を感じ、結果的に物を溜め込んでしまう人は少なくありません。

「後で使うかもしれない」という考えから、本来不要な物を保管し、結果として実家が物で溢れてしまうケースがあります。

体力の低下により片付けが困難に

高齢化に伴い、体力が大幅に低下し、片付けができなくなる可能性もあります。高齢者は大きなゴミを自力で運ぶことが難しく、結果として部屋に放置されがちです。

その結果、実家にゴミが溜まり、ゴミが邪魔になって部屋を自由に動けなくなります。これがさらに体力の低下を招き、片付けができない悪循環に陥ることもあります。

判断力の低下により片付けができなくなる

記憶力や判断力の低下がゴミ屋敷化の一因となることもあります。特に、同じものや似たものを何度も購入し、実家が物で溢れてしまうケースはよく見られます。

また、セールスで不要な物を購入したり、定期便で申し込んだ物を消費しきれなかったりといった問題もあります。

孤独感から片付けができなくなる

子供が家を出たり、配偶者が亡くなったりした結果、孤独感を抱く人もいます。その結果、孤独を紛らわすために物を集めるようになることもあります。

また、物を捨てることで孤独感が増すことを恐れ、片付けができなくなるケースもあります。物への依存症が発生するケースもあるので注意が必要です。

環境の変化が影響している

退職や子供の独立、配偶者の死などがきっかけで、片付けができなくなる人もいます。

これまで実家の片付けをしていたのが配偶者や子供だった場合、その環境が変わると、実家が一気に散らかってしまうことがあります。

病気が原因である可能性も注意が必要

実家がゴミ屋敷になった原因が親の病気であるケースもあります。特に注意が必要なのは、年齢とともに進行しやすい認知症です。

認知症の症状が進行すると、必要な物とゴミの区別がつかなくなり、結果として自宅がゴミ屋敷になる可能性が高まります。

このような状況では、無理に片付けをしようとすると、争いやトラブルに発展する可能性もあり、片付けをスムーズに進めるのは難しいかもしれません。

認知症や精神疾患は時として自己放棄(セルフネグレクト)を引き起こすこともあります。セルフネグレクトとは、自己の世話を怠り、不衛生な環境でも問題ないという意識を持つことを指します。

また、ADHDや買い物依存症、溜め込み症、身体的な障害などがきっかけとなり、実家がゴミ屋敷化するケースも少なくありません

実家がゴミ屋敷化するリスクと問題点

実家がゴミ屋敷化しても、生活に大きな影響がないと感じ、そのままにしてしまう方もいるかもしれません。

しかし、ゴミが溜まり続けると、健康被害や事故、トラブルのリスクが高まります。ゴミ屋敷化した実家を放置することで生じる問題は以下のようなものがあります。

健康被害が生じる可能性がある

ゴミ屋敷化の中でも特に注意すべきは、生ゴミの放置による異臭、カビ、害虫の発生など、健康に悪影響を及ぼす可能性がある問題です。生ゴミが溜まり続けると、実家が不衛生になり、重篤な疾患を引き起こす可能性があります。

実家がそれほど散らかっていないように見えても、ホコリやチリが充満すると、アレルギーによる鼻詰まりやくしゃみ、目の充血、呼吸困難などを引き起こす可能性があります。

衛生状態が悪い部屋で生活すると、皮膚の腫れやただれ、じんましんなどが起きることもあります。一度アレルギー症状が発生すると治療には時間がかかるため、健康被害を未然に防ぐことが重要です。

さらに、害虫や害獣が運ぶウイルスによる疾病にも警戒が必要です。特にダニの糞による脳炎は、麻痺などの深刻な症状を引き起こす可能性があるため、予防措置が必須となります。

高齢者が孤立する可能性がある

実家の両親は、遠くに住む子供や孫に会いたいと思っていることでしょう。

しかし、小さな子供がゴミ屋敷に入ると、怪我をしたりアレルギーを発症したりするリスクがあります。実家がゴミ屋敷化すると、家族や親族が遠ざかり、高齢の両親が孤立する可能性があります。

近隣トラブルが発生する可能性がある

ゴミを溜め込むことで、近隣住民とのトラブルが発生することもあります。

特に、実家のゴミが悪臭や害虫の発生源となっている場合、または、屋外にゴミが溢れている場合は注意が必要です。ゴミの量が多いと、苦情が来るだけでなく、通報されたり、退去を求められたりすることもあります。

退去要求があった場合、条例により強制排除などの措置が取られることがありますが、その費用は住人または親族が負担することになります。

事故発生の可能性がある

実家にゴミが山積みになっていると、洪水や地震などの災害時に被害が拡大する可能性が高まります。

緊急時にすぐに逃げられなかったり、部屋の中の物が崩れて怪我をしたりする可能性もあります。また、実家にゴミが溢れていると、部屋を移動するのが困難になります。

転倒したり、鋭い物を踏んだりすることで大きな怪我をする可能性もあります。特に、頭上からの落下による事故は大きな怪我につながる可能性があります。

火災のリスクが高まる

部屋にゴミが溢れていると、調理中やタバコを吸っているときに火災が発生する可能性があります。

また、線香の火や灰がゴミに引火したり、ストーブの火が広がったりするリスクも高まります。電線周辺のホコリが原因となるトラッキング現象の火災や、窓辺に置いた鏡やガラス製品による集光火災にも注意が必要です。

屋外にゴミを放置している場合、放火される可能性もあります。

遺品整理の負担が増える

将来を考え、ゴミ屋敷化した実家を早めに片付けることを考える方もいます。

実家がゴミ屋敷の状態で親が亡くなった場合、遺品整理には大きな負担がかかります。遺品整理は業者に依頼することも可能ですが、ゴミ屋敷や汚部屋の場合、費用が大幅に増える可能性があります。

また、散らかった実家で親が亡くなったことに対する精神的な負担や後悔を感じる方もいます。後悔しないためにも、実家がゴミ屋敷化しているときは、早めに片付けに取り組むことが重要です。

実家がゴミ屋敷化した際の整理の適切なタイミング

実家がゴミ屋敷になっていることを認識していても、整理する適切なタイミングが掴めない方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、「まだ生活に支障がないから」「面倒だから」と片付けを先延ばしにしていると、問題が発生するリスクは増えていきます。実家を整理する際には、タイミングを見極めることが重要です。

例えば、ゴミ屋敷が原因で親が怪我をしたり、健康に影響が出たりした場合、積極的に整理を提案することが求められます。

また、訪問介護やデイサービスなどの福祉サービスを利用することが決まったタイミングで整理を始めるのも良い方法です。福祉サービスを利用する際には、実家が第三者の目に触れることになるため、整理に前向きに取り組む意欲が高まる可能性があります。

実家の整理を親に理解してもらうためのアプローチ

実家がゴミ屋敷化してしまった場合、整理を提案してもすんなりと受け入れてもらえないことがあります。誤った対応をすると、争いに発展する可能性もあります。

整理する際には、親の感情に配慮し、以下のような方法で説得することが重要です。

まずは親の理解と同意を得ることが重要

実家がゴミ屋敷化してしまったからといって、親の許可なく整理を始めるのはおすすめできません。無理に整理を始めようとすると、親が強く反発し、大きな争いになる可能性があります。

また、親が頑固になってさらに物を溜め込んでしまう可能性もあります。

まずは親とじっくりと話し合い、実家を整理することについて理解してもらうことが重要です。本人が納得しないまま無理に整理を進めても、すぐにまたゴミ屋敷に戻ってしまうことがあります。

きちんと話し合っておくことが、ゴミ屋敷化の再発を防ぐための重要なステップです。

否定的な言葉は避ける

実家の整理の際には、「こんなの要らないでしょ」「このままだと不潔だよ」などの否定的な言葉を避けることが重要です。

否定的な言葉で整理を促しても、ゴミ屋敷からの脱却はなかなか難しいものです。

整理の際には、「事故や怪我が心配だから」「整理すると生活がしやすくなるよ」といったポジティブな言葉を使うことがおすすめです。

また、「必要なものだけを残そう」「普段使わないものは一旦移動させよう」といった提案も効果的です。

一緒に整理を進めることを提案する

実家にあるものは自分のものではないため、どのように整理すべきか戸惑うこともあるでしょう。一見、ゴミに見えるものでも、親にとっては大切なものや思い出の品である可能性があります。

そういったものを許可なく捨ててしまうと、後から大きな問題に発展する可能性があります。整理の際には、親の意見を尊重し、処分しても良いかを確認することが重要です。

親と一緒に整理を進めることで、どのものを処分すべきか、どのものを保持すべきかを判断でき、後々の問題を避けることができます。

ゴミ屋敷化した実家の整理方法

実家がゴミ屋敷状態になってしまった場合、整理するのには大量の時間と労力が必要となります。事前にしっかりと準備をし、効率的に整理を進めることが大切です。

以下に、ゴミ屋敷化した実家の整理を成功させるためのポイントを説明します。

整理の目標を設定する

整理を始める前に、大まかな目標を設定しておくと良いでしょう。

目標としては、長期間使用していないものを中心に処分する、生活に支障をきたさない通路を作るなどが考えられます。

また、子供や孫、親戚が安心して訪れられるような家にすることも目標に設定できます。目指すべきビジョンがあると、途中で挫折するリスクを減らすことができます。

必要な整理道具を十分に用意する

実家の整理には、必要な道具を十分に用意しておくことが重要です。

整理に必要なものとしては、ゴミ袋、洗剤、ゴム手袋、ぞうきん、ハサミ、ガムテープ、マスクなどがあります。

また、汚物がある場合や悪臭がある場合には、殺虫剤や消臭アイテムなども用意しておくと良いでしょう。途中で道具が足りなくなると整理が中断し、挫折する可能性があります。

整理を続けるためにも、十分な量の道具を用意して整理に取り組むことがおすすめです。

まずは目立たない場所から整理を始める

リビングや寝室などの目立つ場所から整理を始めると、整理の成果がすぐに見えてモチベーションが上がります。

しかし、これらの場所は親のプライベートスペースであり、物への執着心が強い可能性があります。無理に整理を始めると、大切なものを捨てられたと感じてしまう可能性があります。

そのため、整理を始める際には、プライベートスペースから離れた場所から始めることをおすすめします。屋外や玄関、トイレなどから始めると、整理への抵抗感を減らすことができます。

ゴミの適切な分類が重要

多くの自治体では、ゴミの分類が求められています。

特に、不燃ゴミや粗大ゴミの処分は、回収日が限定されていることが多いため、事前に回収日や方法を確認しておくことが大切です。

また、まだ使用可能なものがあれば、リサイクルショップに持ち込むなどの方法も考えられます。

ゴミ屋敷化した実家の整理には専門業者の依頼が有効

実家がゴミ屋敷状態になってしまい、自力での整理が困難な場合、プロの力を借りることを推奨します。

ゴミ屋敷の整理を無理に自分で行うと、怪我をするリスクや健康被害を受ける可能性があります。また、ゴミが多い場合、整理に時間がかかり、日常生活に影響を及ぼす可能性もあります。

不用品回収業者や清掃会社には、ゴミ屋敷の整理に慣れたプロのスタッフがいます。専門業者に依頼すれば、自分で整理するよりも迅速かつ丁寧に整理してもらえます。

大型家具や家電の処分、または触ることが難しいような汚れたゴミの整理も、専門業者ならスムーズに対応してくれます。

ゴミ屋敷の整理が必要な場合、まずはインターネット等で業者を探してみましょう。一般廃棄物収集運搬業許可や古物商許可を持つ業者であれば、安心して依頼できます。

また、サービス内容や料金体系をウェブサイト上で公開している業者を選ぶことも重要です。信頼できる業者を選び、実家の状況を詳しく伝えて見積もりを取ることをおすすめします。

ゴミ屋敷化した実家の整理にはプロの力を活用しよう

実家がゴミ屋敷状態になってしまった場合、それは決して珍しい事態ではありません。

散らかった実家を片付ける際には、無理に物を処分したり、一人で片付けを進めるのではなく、まずは親とじっくりと話し合い、整理の方針を共有することが重要です。

ゴミ屋敷の清掃は時間と労力を要します。また、片付け中に怪我をするリスクや、害虫による健康被害が発生する可能性もあります。

ゴミ屋敷問題が社会的な課題となっている現在、ゴミ屋敷の整理を迅速に行う専門業者も増えています。手間をかけず、安全にゴミ屋敷を整理したい場合は、専門業者への依頼がおすすめです。

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